ベーシックインカム㉔_新たな政府通貨発行のために① 2020/11/23
政府通貨の発行のための技術的考察。
1.内部貨幣と外部貨幣
内部貨幣:銀行信用創造。お金の大半は「預金」として存在している。これは裏を返せば誰かの「借金」である。
外部貨幣:貨幣(硬貨)、日本銀行券(紙幣)。
2.考察対象の外部貨幣について
貨幣:発行主体は政府。
「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」に依拠。
独立行政法人造幣局で製造される。
日本銀行券:発行主体は日銀。
「日本銀行法」に依拠。
日本銀行券への需要に関する先行きの想定をもとに、国立印刷局に発注する。大西つねき氏によると、実際には財務省が金額を決めている。
3.どうすれば今回の目的である政府通貨を発行できるのか?
大西つねき氏『私が総理大臣になったら』p90より
法律の改正で政府通貨発行できる(100兆円紙幣)。
内閣が政令をつくることで政府通貨発行できる。
行政機関がつくる法規、命令、行政立法のこと。法律の補助的なもの。
そのうち政令は、内閣によってつくられるもの。
通貨には貨幣(硬貨)と日本銀行券(紙幣)の2種類があることがわかる。
法令リードHPより以下引用(抜粋)(赤字:私)
通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
第1条 この法律は、通貨の額面価格の単位等について定めるとともに、貨幣の製造及び発行、貨幣の種類等に関し必要な事項を定めるものとする。
第2条 通貨の額面価格の単位は円とし、その額面価格は1円の整数倍とする。
2 1円未満の金額の計算単位は、銭及び厘とする。この場合において、銭は円の百分の一をいい、厘は銭の十分の一をいう。
第5条 貨幣の種類は、500円、100円、50円、10円、5円及び1円の六種類とする。
2 国家的な記念事業として閣議の決定を経て発行する貨幣の種類は、前項に規定する貨幣の種類のほか、1万円、5000円及び1000円の三種類とする。
3 前項に規定する国家的な記念事業として発行する貨幣(以下この項及び第10条第1項において「記念貨幣」という。)の発行枚数は、記念貨幣ごとに政令で定める。
第6条 貨幣の素材、品位、量目及び形式は、政令で定める。
日本銀行法
第5章 日本銀行券
6.結論
貨幣(硬貨)においては、金額の種類を新たに設けるには、法律そのものを改正する必要があるだろう。
日本銀行券(紙幣)においては、金額の種類を新たに設けるには、政令で定めるだけでできるだろう。つまり内閣だけでできる。
以上から考えると、政府通貨でベーシックインカムの費用を捻出するために、例えば100兆円の政府通貨をつくるならば、貨幣(硬貨)よりは日本銀行券(紙幣)の方が話が早いかもしれない。
上記以外の参考文献:ときわ総合サービスHP