ベーシックインカム㉛_ベーシックインカムレポート2021<ショート版>_2021/05/01
ベーシックインカムレポート2021<ショート版>
2021/5/1/Sat
1私の立ち位置
ありがたいことに現在仕事についているが、体も心も弱く、先行き不安だ。BIを知り、これがあれば安心して生きていけると思い勉強を開始した。
2BIとは
BIとは全ての国民に基礎的な所得を給付するもの。これにより最低限の生活ができれば望ましい。
3必要な理由、メリット(5個)
3-1資本主義の成熟による利潤ゼロ社会の到来
経済が成熟すると儲からなくなり、企業がコスト削減に走ることにより、非正規雇用や職につけない人が増える。
3-2AIの進化
AIに人間の労働が奪われ、大量失業社会が来ると言われている。
3-3生活不安の払拭
そんなわけで現在猫も杓子も生活不安を抱えている。そんな中でも明るく前向きに生きるべきなのかもしれないが、せっかくなので仕組みも提案したいのだ。
3-4ゆがみの是正
生きるために不本意ながらする仕事、産業、犯罪を見直す。
3-5経済メカニズムとプライスレスのベストバランスの復活
プライスレスなものの中に(経済メカニズムの外に)優しさや情、人間らしさがある。
たとえ経済メカニズムの中にいられなくても、自分の人生を卑下することはない。
4反対意見、留意点(3個)
4-1人々が働かなくなる
4-1-1反論1先に述べたように多くの人が適当な仕事からあぶれることに対応して社会の仕組みを(分配問題の解決)作らないといけない。
4-1-2反論2今の分配システム(経済メカニズムのみ)では、人々は無理にでも仕事につこうとする。それが人々や社会や産業をゆがめている。それをゆるめてやることは大事だ。
4-1-3反論3人々は賃金労働から離れることもありうるが、仕事自体は減らないだろう。介護、育児、ボランティア、学び、趣味などその人が本来すべきことに労力が振り向けられる。
4-1-4反論4ある職につく人が減って社会のある部分が成り立たないときは、その職の給与を上げたり、業務を改善するべきということ。
4-1-5留意点1経済メカニズムによる「尻たたき」がなくなり、人々が怠惰なライフスタイルになり、精神不均衡などの問題が出ないかは注意深く観察を続けるべき。
4-2財政が成り立たない
4-2-1BIは実現可能で、財源も確保できる。
4-2-2しかも「厳格な歳入中立性」(個人所得税と既存の福祉予算削減のみで調達)でさえ可能。
4-2-3加えて、「補助金や税控除などの福祉外の支出を回す」、「政府系ファンド運用益、炭素税、金融取引税などの新財源創出」ができれば、税率引き上げはさらに少しだけとなる。
4-2-4さらに一段深いところから仕組みを変えて、国債増発(MMTを論拠とする)ができれば、上記のような税収財源の上限を度外視できる。しかしインフレや借金返済などの注意点はある。
4-2-5さらにもう一段深いところから仕組みを変えて、新しい政府通貨発行ができれば、同じく上記のような税収財源の上限を度外視できる。しかしインフレなどの注意点はある。
4-3全ての国民ではなく、低所得者だけに給付すればよい
4-3-1この方がたしかに財源は少なくてすむ。
4-3-2反論1働いても働かなくても所得が変わらないのであれば、働く動機が弱まる。結果働かず貧困からなかなか脱出できない。これを「貧困の罠」と言う。
4-3-3反論2生活保護で問題となるような差別・屈辱感がある。
4-3-4反論3富裕層などへのBIは所得税により給付金額の何割かは税金で国に戻ってくる。
5技術的な話、どうやるか
5-1古典的な貨幣数量説(フィッシャーの交換方程式)というものがある。
MV=PT
M:貨幣量
V:貨幣の取引流通速度
P:物価
T:1期間における財・サービスの取引量
例えば、VとTが一定のままで、貨幣量を100倍にしたら・・・
100M × 1V = 100P × 1T
となり、物価が100倍になるということ。貨幣量について考えるときに参考になる式だ。
5-2インフレ、デフレについて、
バケツに水をそそぐイメージ、をもとに考えてみる。
水:貨幣量(M)
水位:物価(P)
バケツの穴から漏れ出す分:人々が貯蓄に回す分(V)
バケツの大きさ:生産能力=供給能力=幸福度=GDP(T)
日本というバケツに、水というお金を注ぐ。
水位という価格水準が上がる。
→インフレになる
5-3もう一度フィッシャーの交換方程式に戻る
MV=PT
これを変形すると
P=MV
T
マネーMを増やしてやっても、生産力Tが増えなければ、インフレになる
「お金があればもっといろいろできるのに。もっと世の中上手くいくのに(Tが増えるのに)」(=M増やすべき) ←今これ
Or
「お金はあるけど供給能力が追いつかない(Tは増えない)」
(=M増やさないべき)
5-4もうひとつ面白い話をしよう。
P=MV
T
M:マネーサプライ1,283兆円
T:GDP560兆円
V:一定
とすると、
Pは2.29となる。これを物価の基準値とする。
今1億2000万人にベーシックインカムを月10万円給付する。
年間144兆円となる。
1,283兆円+144兆円=1,427兆円
このときPは2.54となる。これは11%のインフレが起こったことになる。
しかし、実際には貯蓄に7割回って、実際に市場に流通する分には3割だけだったとする。144兆円×0.3=43兆円
また、需要が増加することに対して、供給が追いつき、GDPも増えるとする。10の需要増に対して、2割は供給が対応できるとする。43兆円×0.2=8兆円
1,283兆円+43兆円 ÷ 560兆円+8兆円 =2.33
このときPは2.33となる。これは2%のインフレが起こったことになる。
このように、単純に水を増やしてやった分がインフレにそのまま回るわけではなく、実際には穴から零れ落ちていく水もあり、またバケツの大きさも大きくなる。そのため、思ったよりは水位は上がらない(思ったよりはインフレにならない)。
6今後の流れ、そのために動くことは、目を向ける団体
6-1今後の流れ
月1万円などの少額からでよいので導入を急ぎたい。財源は実験も兼ねて新しい政府通貨発行が望ましい。年間15兆円。このくらいなら大きなインフレにはならないだろう。国会でのベーシックインカム法案可決、新しい政府通貨発行法案可決を行う。
そのために既存政党あるいは本格的なポピュリズム政党やBI政党を立ち上げ、選挙に勝利する。
そのためにBI導入を国民の総意としてコンセンサスを得るべく、BI啓蒙運動で機運を高める。
6-2そのために動くことは
1人でも多くの人が声を上げる
首相官邸ホームページに「BIお願いします」等コメントする
BI推進団体に入る(BIEN Japan、ベーシックインカム実現を探る会、日本ベーシックインカム学会、etc・・・)
選挙に行く
低所得者の人数(関係人数)と実際の選挙投票人数の時系列での把握
地元選出の国会議員に電話する
政策立案者(官僚)の背中を押す
世論の圧力高める(理念と価値を丁寧に周知する運動)
粘り強く政治に働きかける
推進派の連合体をつくる⇒政治運動
BI政党や本格的なポピュリズム政党をつくる
真の国民主権を獲得する(国会議員党の罷免権行使による)
政府系ファンドや資本ファンドを作る
利権を組み込む
6-3目を向ける団体
国民民主党
れいわ新選組(デフレ脱却給付金、月3万円、インフレ2%まで、財源は国債発行)
緑の党グリーンズジャパン
つばさの党(旧オリーブの木)
NHKから国民を守る会
大西つねき
白崎一裕
安藤裕
7明るい未来へと留意点
7-1現代までの文明を仮に3000年とする。その間農業革命、産業革命、フランス革命、明治維新、憲法9条、IT革命等、様々な課題に人類は流血をともないつつ立ち向かっていった。そうして築き上げてきた人類共有財産が現代である。仮に今レベル29までがんばって歩いてきたとしよう。
そして現代はレベル30の問題である以下の克服に取り組んでいる。
・分配問題の解決(BI、新しい政府通貨発行)
・経済の奴隷からの解放(経済の外の世界の創出)(BI、新しい政府通貨発行、本来あるべき国家予算額)
7-2留意点としては、これらを行うことで贅沢病や、未婚、引きこもりなどの事象などの問題が生じないかについては、注意深く観察を続けなければならないが、そういった事象はレベル35という次の課題であるだろう。
- 参考文献等
ガイ・スタンディング著『ベーシックインカムへの道』2018年、プレジデント社
Netyanewさんのツイッター等
新田たつふみさんのツイッター等
のらねこまさんのツイッター等