スペイン、イタリア、イギリスの取り組み ベーシックインカム

ベーシックインカム R2.5.24(日)

 

 2020年4月8日、スペインではコロナの被害を受けて、ベーシックインカムを可能な限り早くやる、終了期限は決めないと発表されて話題になった。

 実際には低所得者層のみ(100万世帯)で、完全なベーシックインカムとは言えないが、ベーシックインカム的な方法としては、大きな一歩と言えば一歩。財源が心配されているとのこと。

 政権与党はペドロ・サンチェス首相率いる中道左派社会労働党(PSOE)で、連立を組むのはパブロ・イグレシアス党首(41才)率いる極左のポデモス党。

 

 

 イタリアでは、無所属のジュゼッペ・コンテ首相と連立を組む中道左派民主党と、同じく連立を組む左派「5つ星運動」(党首ルイジ・ディマイオ33才)が2019年1月に「市民所得」を導入した。

 低所得世帯に、月780ユーロ(8万円程度)を、プリペイドカード(翌月等に持ち越しはできない)で配布する。少しの就労の義務がセットされている。

 「5つ星運動」は2009年設立の左派ポピュリズム(大衆)政党。日本で言うと、れいわ新選組のような存在だろうか。

 

 

 イギリスでは2020年4月、コロナ被害を受けて、ボリス・ジョンソン首相(保守党党首)が、ベーシックインカムの検討を指示した。コロナ被害による一時的な給付制度として。

 

 

 世界ではポピュリズム(大衆)政党が台頭してきており、そういったところはベーシックインカムを主張していることが多い。日本でいうと、れいわ新選組や「オリーブの木」のような感じだろうか。

 「変革は辺境からおきる」という言葉がある。かつて、ローマ帝国をしのぐ勢力は、周りの国々から興ったように。

 旧態然とした主流派から、新しいことが起こるのではなく、新興勢力から変革が起きるというのは、よくある話ではないだろうか。逆に言うと、旧態然とした主流派がいつまでも、その地位にとどまりたいのであれば、新しいことを積極的に取り込んでいかないといけないのだろう。