ベーシックインカムのために。マネタリーベース、マネーサプライについて

#ベーシックインカム

 

●マネタリーベース

マネタリーベースとは、日銀当座預金中央政府、銀行が保有)と紙幣と硬貨の貨幣流通量の合計。

マネタリーベース:509兆円

 内訳 日銀当座預金:395兆円

    紙幣の流通量:109兆円

    硬貨の流通量:5兆円

 

●マネーサプライ

マネーサプライmoney supply)とは、金融機関中央政府を除いた、国内の経済主体(地方政府含む)保有する通貨(現預金)の合計。マネーストックmoney stock)ともいい、これらを和訳した通貨供給量通貨残高も同義。

マネーサプライは、区分けにより何種類かあるが、ここでは「M3」の数値記載する。(M3はゆうちょ銀行の預金も含む、定期預金・定期積金などの「準通貨」も含む。「現預金」といったときに普通に思い浮かべるイメージに一番近いと思う)。

マネーサプライ(M3):1380兆円

     内訳 現金通貨:104兆円

        預金通貨:726兆円

        準通貨:522兆円

        CD:28兆円

 

マネーサプライはマネタリーベース信用創造によって金融機関が市中に供給することで増えるとされていると一般的に考えられてきた(アベノミクスもこの考えに基づいていた)。

 

一方、イングランド銀行の季刊誌(2014年春号)は「現代経済における貨幣の創造」の中で、中央銀行がマネタリーベースの量を操作し、経済における融資や預金の量を決定しているという見解は通俗的な誤解であると指摘している。銀行による貸出しは、借り手の預金口座への記帳によって行われるに過ぎず、銀行の本源的な預金は、銀行の貸出し能力の制限になっていない。したがって、中央銀行がマネタリーベースの量を増やしても、民間主体に借入れの需要がなければ、銀行の貸出し(すなわち預金通貨の創出)は増えない貨幣供給量を決めているのは、あくまでも借り手の資金需要であって、貸し手の資金量ではない。企業などの資金需要の増大がなければ、貨幣供給量は増えない。要するに、企業などの資金需要の増大が銀行の貸出しと預金を増やし、そしてマネタリーベースを増やすのであって、マネタリーベースの増加が銀行の貸出しを増やすのではない

 

⇒つまり、マネタリーベースを増やす従来の金融政策(アベノミクスもこれ)では、マネーサプライを増やすことはできない、ということが近年はっきりしてきた。

景気を刺激するにはマネタリーベースを増やしても意味がなく、財政政策などでマネーサプライを直接増やしてやらないといけない。

 

だからケインズ経済学では、財政政策としてニューディール政策など公共工事で、マネーサプライを増やしたのだ。そして景気を回復させていった。

 

今、ベーシックインカムを導入すれば同じような効果があるものと考える。財政政策としてベーシックインカム政策を導入することで、マネーサプライを増やせば、景気を回復させることができるだろう。コロナ下においては所得補償、生活保障も同時に担える。

 

その際注意すべきはインフレである。

マネーサプライは物価と深い関係があり、通常は他の条件が変わらなければ、マネーサプライの伸びが高く(低く)なると、物価の伸びも高まる(低くなる)傾向にあると考えられている。このため、欧米の中央銀行では金融政策の中間目標として、マネーサプライの動向が注視されている

 

しかし、コロナ下の今はインフレはそれほど気にしなくてよいだろう。供給の落ち込みに比べ、需要の落ち込みの方が大きいと思うからだ。これが逆ならインフレになるが。需要の落ち込みが顕著なことは、GDPが下がったとか、デパートの売上が下がったなどのニュースの枚挙にいとまがないことからはっきりしている。

経済の大打撃により解雇や所得減少した人も大変多いのだから、所得補償をしないと日々の需要はますます落ちていく一方だ。

壊滅的なダメージの連鎖を少しでも減らすため、早い段階での給付金やベーシックインカムの導入が不可避だ。

 

政府の財政支出は民間預金の創造し、マネーサプライ(貨幣供給量)の増加をもたらしている。逆に、政府が債務を返済すれば、マネーサプライ(貨幣供給量)は減少する。このように、政府の財政政策はマネーサプライ(貨幣供給量)を操作する。

 

引用、参考文献:ウィキペディア

        日銀HP 日銀当座預金増減要因と金融調節(2020/3/31分)

        同 マネーストック速報(2020年3月)