ベーシックインカム㊸_ベーシックインカム理論_2022/05/03/Tue
2022/05/03/Tue 憲法記念日
1.効率化(節約)はGDPにマイナスである、是か非か
劣化コピーを重ねるようなものである。
(1)ミクロではよいが、マクロではマイナス
その結果、次の段階では、ミクロにもマイナスになる
ミクロ+ → マクロ- → ミクロ-
(2)資源の制約
①「資源」+ 「労働・働き方」+ 「雇用」+ 「経済」-
地球環境資源、人間資源を重視すると・・・
過重労働がなくなるので、雇用は増える
大量消費廃棄社会ではなくなるので「経済」だけマイナスになる
②これまでの「経済」の正体とは?(ノーベル賞)
・誰のためのものだったのか?
資本家のためのもの
全員の生活水準は上がった
利潤を追求する過程で、売上を増やすために、新しいより付加価値の高い財サービスが生み出され、提供される。それを消費する側の人間もいるので、生活水準は上がる。社会全体で物質的には豊かになる。
・何のためにやってきたのか?
物質的には豊かになった
(3)昔より大量消費廃棄社会なのに、安心した暮らしができないのはなぜ?
でも不幸なのはなぜ?
物よりも大事なものが切り崩されてしまったから
|
物 |
家族 |
社会連帯・安心感(なんとかなる) |
合計点数 |
|
昔 |
5 |
8 |
8 |
8 |
29 |
今 |
13 |
2 |
2 |
2 |
19 |
経済 |
+ |
- |
+/- 個人主義、 格差、自己責任 |
- |
|
|
|
|
|
|
|
下山 |
6~8 |
5 |
5~6 |
5~7 |
22.5 |
衣服足りて礼節を知る、がいきすぎると礼節を忘れる。人間がバカになる。
経済とその他の概念はトレードオフ
なので、経済を求めず、ほどほどにするのが賢い。人も国も。
「no more 経済」
(4)倫理が経済の形・姿を規定する。「倫理経済学」。全てが丸くおさまる形とは?(ノーベル賞)
経済を求めず、ほどほどが賢い(中庸)
下山(げざん)の経済学。GDP↓下での安心した経済社会の作り方とは?
(5)もったいないという美徳は正しい
経済を求めない(穴掘って埋めなくてよい)のだから、正しい
(6)効率化
節約、効率化 ⇔ 経済、消費創造理論(CCT)
ムダは悪
地球資源〇
人間資源〇
幸福度〇(+++-)
ムダは善
金は天下の回り者
CCT
私のこの20年間の生き方
経済が回らないから気を遣う
そうしなくてもいいようにちゃんとBIなどで手当てする
そうすれば困る人いなくなるから大丈夫
=CCTを重視しなくてもよくなる
しかし、新規事業などで価値をもたらすチャレンジは教育、医療、科学などと同じように考えて、多少借入焦げ付き、浪費気味(消費)になったとしても通貨供給で大目に見る。
穴掘って埋めるとは?
雇用創出、景気刺激タイプの公共事業の極限を指す言葉だが、
これは労働を伴う、
生活保護であり、BIであり、所得再分配(あるいは赤字国債であれば通貨供給)でしかない
CCTとしては積極的に肯定する。私も今日のブログを書くまでは肯定してきた。
環境資源、人間資源のことを考えるならば、もっと有意義な工事をするべきだし、あるいは労働なしで配布するだけでもよい。尊い労力が無駄になってしまう
2.バケツの話に「需要」と「ベーシックインカム」を足す
私のいつものバケツを例とした話
水の体積が経済規模(≒名目GDP)
生身の人間(私)の話で恐縮だが、成長期に成長を意図的に止めるとゆがむ。これと同じでバケツの拡大期に、十分な通貨供給(水の投入)を止めると、バケツがゆがむ。
需要=バケツを広げようとする圧力
需要=上から水をひっぱってくる圧力(水の投入を判断する「サイン」)
AIで効率化が極致に達した今、政府国債で予算投入(水の投入)しても、資本家の貯蓄としてバケツの穴からこぼれていくだけ(水がバケツ内にたまらない、循環しない)
水の投入方法としては直に、消費者(生産効率化により雇用から締め出されている)にBI等で渡さないとバケツ内にたまらない(こうすればバケツ内で循環する)
トリクルダウンについて
トリクルダウンとは、富める者が富めば、貧しい者にも富がこぼれ落ちて、経済全体がよくなるというもの。
しかし、バケツの話でいくと、富める者の貯蓄や内部留保として、バケツの穴からこぼれ落ちていくので、貯蓄率、内部留保率分は意味がないことになる(ずっと後になり、この貯蓄や内部留保が切り崩して使うときがきて、消費や投資として、穴からバケツ内に戻ってくれば(逆流)、バケツ内の水となり、バケツ内で循環するので効果はあるが)(以後の考察においてはこの点(ずっと後日の話)については考慮に入れないものとする)。
3.下山(げざん)の経済学
人口↓
↓
職員↓ 店舗↓ 町↓
(大規模化、効率化により尚減る。みんなしめ出されていく)
新しい国のグランドビジョンが必要(町やインフラを増やしていった時の逆)
☆そんななかでもどうやって衣食住、医療介護、サービス、移送手段を確保するか?
大規模化、効率化、不採算事業店舗撤退閉鎖
なおかつ経済重視をやめる=物少なくてよい=仕事も減る
↓
難民↑
切捨 → 売上↓↓ 人口↓↓ 激減、大混乱、暴動(非現実的)
共存 → 売上↓ 人口↓ ゆるやか、平和的(現実的)
↓
所得保障(BI)「結局所得分配をどうするかの話」
財源:
一番いいのは、
バケツ穴からこぼれた、
富裕層の貯蓄や、大企業の内部留保(富裕税)だが、
(バケツ穴かからこぼれた水を、税金でとって穴から逆流させてバケツに戻す)、
(1980年代以降、所得分配が偏り、おかしくなっていた。元に戻す。選挙権は一人一票なので可能)、
難しければ、
政府通貨発行(蛇口から水を入れる)、
しかない。
いずれにしてもバケツ穴からこぼれた分が目安の量(それ以上はインフレ懸念。厳密に言うと、バケツが広がる局面(生産力向上余地あり)では、それ以上でもインフレにはならないが)
必要最低限の月10~15万円とかでよい
とりあえず早めにスタートするため、月1万円も可(ソフトランディング)
4.なぜBIなのか。それ以外でもよいのか
負の所得税とは、一定以上の収入の人からは所得税を徴収するが、それに満たない人には、逆に給付金を支給するというもの(税金の逆のものと言える)
住民税非課税世帯は収入が年間96万5千円未満
12ヵ月で割ると8万円
月8万円より多い →課税
少ない→給付金を支給
経済を追求しなくてよくなるので、
仕事も企業もあるべき姿になる
みんなが最低限生きられる(憲法)ようにして、
もし「インフレになる」と言うなら富裕税をとるのが理にかなっている
所得分配が不均衡になりすぎているということになるので、
累進課税税率を直したりして、一億総中流に戻す(この時が社会的に一番幸福度が高かったと言う)
住民税非課税世帯は、1753万3737世帯
全世帯5852万7117世帯の30%ぐらい
1か月8万円、年96万円の負の所得税支給で17兆円
1ヵ月10万円、年120万円の負の所得税支給で21兆円
仮にソフトランディングで、
1か月1万円、年12万円の負の所得税支給で2.1兆円
(1)所得分配の問題
10人で10個つくっていた
3人で10個つくれるようになった
1個1円
給料1人に3円(そして1円で1個買う。2個分はお金(貯蓄)として残る)
しめ出された7人は買えない
(7人抹殺(=効率化の正体)だがこれはおかしい)
(10人で30個とはならない(売れないから)(必要ないから))
↓
売れないので生産が3個に下がる
給料は1人に1円に戻る
3人で3個作る。縮小がおこる
(いや、1人で3個つくる)
3円から2円税金でとって負の所得税を支給すると回る
あるいは3円のうち2円が貯蓄になったなら、
バケツ穴からこぼれた2円の分を、
政府通貨供給して負の所得税を支給すると回る
結局ある程度は平等にする以外に世界が回る道はないというお話
富裕層の寄付
これも同じ話で、税金や政府通貨供給を通さずに、
ダイレクトに所得再分配を行っている
所得の分配に終始 ⇔ パイそのものを広げる
広げたパイは、
Aみんなのもの
B広げた人のもの
どちらか?
これは累進課税税率の高低で決まる
累進課税税率が100%だったら、みんなのものになるだろう
累進課税税率が0%だったら、富裕税0%を意味し、貯蓄に回った分を政府通貨発行しないと、縮小がおこる
(2)なんのための技術革新か?
みんなで幸せになるため、楽するためじゃないのか?
7人を抹殺するため?
違うでしょ、みんなで豊かになるためでしょ?
しめだされた7人がまた違う何かを
7人で7個つくるのもありだけどね
やがて2人で7個つくれるようになったり
(3)結局、負の所得税で困る人はゼロでよい
そもそも7人を抹殺するためじゃないんだから、そうだろ?
7人を抹殺=弱肉強食=自然界のままでええやん、人間になる必要なかった
人間になったからには、みんなで豊か、を目指すべき
(4)しめだされて、取り分とれなくなった人を見殺しにするのは、是か非か?
結局消費してくれる頭数を失うと、どんどん縮小していくだけになる
経済縮小スパイラルと、
棄民による治安悪化、スラム化が、
ダブルでおこる
地球資源的には・・・
人間が最後0にかぎりなく近くなるのはよいことかもしれない
いやいや、そんなバカな話、自己矛盾な話はない
6.医療、教育、科学技術は青天井で政府通貨投入してよい(各分野においてバケツが広がる間はよい)
経済は小さくして良いとはいえ、
青天井で投入すべき分野があるのもまた一方で事実
どこまででも技術革新を進めることが望ましいと思われる分野がそうだ
この点が日常の衣服、食料、住宅、家具家電などの一通りそろえば足りる分野とは違う。一人が2個も3個も買わない分野とは違う。
医療の総合医療が重要なように、
ライフプランナーのような技能(士)が必要になってくるかもしれない
健康、日常生活、運動、人間関係、恋愛、学業、就活、キャリア形成、人生形成、介護、終活などをアシストする
この分野も当面は青天井で進めるべきかもしれない
7.FQ(ファイナル・クエスチョン)とFA(ファイナル・アンサー)
お金は財・サービスの交換券にすぎない
交換に使う便宜的な道具にすぎない
みんなが欲しがったり、貯めたりするのは、
生きて行くには財・サービスが必要で、
それを購入するにはお金が必要だからである
効率化により少ない人数で充分な財サービスを供給できる
人間はしめ出される
お金がなくて買えずに、消費されない財サービスは余る
(売れないので縮小していく・・・スパイラル)
買えずに困る人は増える(衣食足りず礼節を失う人の増加。文化水準の低下。治安悪化)
分配券、交換券、配分券を正しく使うことで、みんながハッピーになる方法はないか?
余っているものは誰が持っている?
それを買う分だったはずのお金は誰が持っている?
(A)余っている財サービスは、基本的には誰も持っていない。縮小おこるまでは、マーケットに売れずに残っている。
それを買う分だったはずのお金は、少数の富裕層の貯蓄となっている(=これが、富の偏在。生活、生命の偏在)。
富裕税で、しめ出された人たちが、最低限暮らしていけるだけの金額を徴収するか、それができなければ貯蓄額以内で(バケツの穴からこぼれた分以内で)、政府通貨発行をし(蛇口から水をそそぐ)、それを財源とし、負の所得税を給付することで、しめ出された人たちの最低限の暮らしを守り、消費の頭数を確保し、無用な社会の混乱をおさえる。
仮に新規の借金ダメ(国、民間)としたら、
貨幣量にバケツの大きさを合わせなければならないので、
バケツは著しく縮む(供給量の著しい減少)(新規に赤字国債が発行できず、政府予算が大幅にカットされたら、福祉をはじめ財サービスがおそろしく削られる)
あるいは、貨幣量(水の量)に対し、物が多すぎる(バケツが大きすぎる)ので、
誰も買わなくなり(お金なくて買えなくなり)、値段が大きく下がる(水位低下)
毎年毎年、赤字国債(蛇口から水)を投入しなければならないのは、それだけ、バケツが単年で広がっているか、あるいは、バケツの穴から単年で水がこぼれていっているかだ。もしどちらも否なら、水を投入した分だけバケツの水位が上がり、インフレになっているはずだ
赤字国債発行額、民間貸出増加額、預貯金増加額、インフレ率を調べればきっとわかるだろう。
なぜ現状維持で認められている規模の赤字国債発行はよくて、新たに増やすのはよくないのだろうか。
(A)ざっとで恐縮だが、単年の赤字国債発行が25兆円、そのうち15兆円は過去の国債返済分(利子は含まない)とすると、10兆円が実際にバケツにそそぐ水の量となる。
先ほどのコピペだが、住民税非課税世帯への負の所得税の話。
1か月8万円、年96万円の負の所得税支給で17兆円
1ヵ月10万円、年120万円の負の所得税支給で21兆円
仮にソフトランディングで、
1か月1万円、年12万円の負の所得税支給で2.1兆円
純然たる赤字国債10兆円(=政府通貨発行)に対して、小さくない値だ。現実味のあるのはせいぜい、1か月1万円で年間2.1兆円だろう。それでも純然たる赤字国債の発行額を20.1%増加してもらわないとならない。
マネーサプライは1,283兆円とする。そうすると2.1兆円は0.16%の増加にすぎないので、インフレリスクは少ないだろう。ちなみに21兆円なら1.6%の増加なので、インフレリスクは許容範囲ではあるが、赤字国債発行の観点からも、最初は少額で様子を見ながら始めるのがよいと思う。
また、以上は富裕税を0ベースで見たが、累進課税税率を上げるなどして、富裕税的に徴収が可能であれば、赤字国債の発行額もその分抑えられるし、税金はバケツ内での循環にすぎないので、インフレリスクは全くない(厳密にはバケツの穴からこぼれる水が少なくなる、あるいはこぼれた水を逆流させることになるので、多少の水量増加には関係するだろうが)。富裕税について、まずは、1980年代の日本社会全体では最も幸福度が高かった累進課税税率に戻すことから始めよう。
8.まとめ
前回のブログで消費創造理論(CCT)なるものを提唱した。それはこの20年間の私の生活信条でもあった。
しかし、今回のブログで考察を進める中で、経済は他の幸福の指標とはトレードオフの関係であることがわかり、無理して経済の拡大を求める必要はないことに気づいた。
その結果、私がこの20年否定的に見ていた節約や、効率化という経済にとってマイナスと思っていたものも、地球環境資源、人間資源の観点から、大いに肯定していいものだと改めることができた。
そして、人口減少下での、GDPが下がっていくことも考えられる、下山の経済学をこれからは考えていかないといけないと思った。
少ない人員でいかに効率よく財サービスを生産し、人々に安心して暮らせる社会にシフトしていけるか。効率化を推し進めると必ず、雇用からしめ出される人たちも増える。その考察を行い、やはり所得保障や所得再分配が大事であると思いいたった。
その財源は富裕税や、あるいは政府通貨発行(赤字国債)となる。
そして給付は純然たるベーシックインカムではなく、負の所得税の形がよいと思った。
また実際に計算もしてみた。住民税非課税世帯への一律10万円の一時給付金案がニュースで話題になっていることもあり、住民税非課税世帯への給付で考えてみた(これは所得税非課税世帯などでも考察してみるのもよいかもしれない)。月8万円で年間17兆円、月10万円で年間21兆円、ソフトランディングで月1万円で年間2.1兆円の財源が必要とわかった。赤字国債の発行額やマネーサプライと比較して、月1万円の案なら、すぐ実行してもインフレ等の支障はないとわかった。
また私のオハコであるバケツを例にした話も深化したと思う。
結論としては、経済成長を追い求めなくてもよいが、効率化の進展で、人間はしめ出されていくので、負の所得税等での所得保障、所得再分配が必要であるということだ。
我々は負の所得税等での生活保障の安全策を講じた上で、安心して、人口減少社会においての安定した財サービスの効率的な提供に邁進し、安心して生きていける地に足のついた社会ですごしていこうではないか。それこそが人類が人間として生きていく道を歩き始めた理由なのだから。
ノーベル賞、プリーズ。
長々と読んでくれて、ありがとうございました。
編集後記 2022/05/04/Wed
すいません。すっかりBIの勘が衰えて、本文中で赤字国債発行を推奨していました。本ブログ含め過去3本が、この論調でした。
過去のブログをいくつか読み返していて、私は「新たな政府通貨発行」(厳密に言うと、政府通貨発行益)を推奨していたことを思い出しました。お恥ずかしい・・・。
BIの財源としては、
の3種類があります。
私としては右にいくほどおすすめです。
なので本文中の赤字国債を、「新たな政府通貨発行」に置き換えて考えていただければと思います。
そうすると、毎月10万円給付の年間財源21兆円でもよいと思います。